ピラティスは、身体が硬くても問題ありませんし、運動経験ゼロからでも無理なく始められます。また、年齢に関係なく幅広い世代の方が行っているエクササイズです。
もともとリハビリテーションの考え方を取り入れて発展した運動法であり、解剖学に基づいた全身運動を特徴としています。
そのため、長年の運動不足に悩む方や筋肉量に自信がない方でも、怪我のリスクを抑えながら安全に取り組むことが可能です。
ピラティスは初心者でも大丈夫?知っておきたい基礎知識
初心者には「マシン」と「マット」どちらがおすすめ?
初心者の多くにはマシンピラティスがおすすめです。ピラティスの代表的なスタイルには、専用器具を使う「マシンピラティス」と、マットの上で行う「マットピラティス」があります。
器具を使う方が身体への負担をコントロールしやすいため、実はハードルが低いとされています。
| 種類 | 特徴・メリット | 難易度・費用 |
|---|---|---|
| マシン | バネや滑車の補助があるため、運動が苦手な方でも正しいフォームを習得しやすい | 難易度:低め 費用:高め |
| マット | 自重をコントロールするため、基礎筋力が必要。一方で、料金がリーズナブルな点も魅力。 | 難易度:高め 費用:安め |
マシンピラティスで主に使われる「リフォーマー」という器具には、複数のバネ(スプリング)が備わっています。
このバネが筋力の低下している部分をサポートしたり、逆に適切な負荷をかけたりして調整を行います。
そのため、筋力が弱く自重を支えられない方でも、無理のない範囲で安全に動作を行うことができます。
リフォーマーを使ったレッスン風景
画像引用元:ラピラティス公式サイト
一方、マットピラティスは自分の筋力だけで姿勢をコントロールする必要があるため、正しいフォームを維持する難易度がやや高くなります。
身体の硬さや年齢的な不安がある方は、マシンの力を借りて動かすのが近道です。
ヨガや体幹トレーニングとの違いとピラティスの目的
よく混同されやすいヨガとピラティスですが、そのアプローチと目的は異なります。
ヨガは腹式呼吸を取り入れることが多く、ポーズや呼吸を通じて柔軟性や心身の安定を目指します。
これに対してピラティスは、胸式呼吸を取り入れながら身体をコントロールして動かし、姿勢や身体の使い方を整えることを重視します。
また、プランクなどの一般的な体幹トレーニングが、一定の姿勢を保つ力を鍛えるのに対し、ピラティスでは呼吸と連動しながら背骨や骨盤を細かく動かし、身体をコントロールする力を養います。
ピラティス教室では、骨盤や背骨を支えるさらに深い部分の「インナーマッスル(深層筋)」に着目し、アライメント(骨や姿勢の並び)を本来の位置へと整える基礎から段階的に指導を受けることができます。
ピラティス初心者が実感できる効果と必要な「頻度・回数」
週1回のペースでも姿勢改善や引き締めは期待できる?
週1回のペースであっても、長期的に継続すれば姿勢の改善や身体の引き締めといった変化は十分に期待できます。
運動に慣れていない段階では、週1回のレッスンであっても、日常生活の中で身体の使い方や姿勢を意識するきっかけになるためです。
週1回であれば無理なくスケジュールに組み込めるため、運動を習慣化しやすいという大きなメリットもあります。
一方で、より早い変化や確実なボディメイクを目指したい場合は、週2〜3回のペースに増やすのが理想的です。
まずはご自身のライフスタイルに合わせて、細く長く続けられるペースを選ぶことが大切です。
何回通えば体が変わる?レベル移行の目安
ピラティスの創始者であるジョセフ・ピラティス氏は、「10回で違いを感じ、20回で見た目が変わり、30回で別の体に生まれ変わる」という言葉を残しています。
効果の現れ方には個人差がありますが、継続回数を考える際のひとつの目安として知られています。
| 回数の目安 | 期待できる変化の目安 |
|---|---|
| 1〜4回程度 | 呼吸法やマシンの使い方に慣れる段階。まだ目に見える体型変化は現れにくい。 |
| 10回前後 | 身体の軸が安定し始め、日常生活で「姿勢が良くなった」と自覚しやすくなる。 |
| 20回前後 | 周囲から「すっきりした」と言われるなど、見た目のボディラインに変化が現れる。 |
| 30回以降 | 正しい身体の使い方が定着し、疲れにくくしなやかな身体のベースが作られる。 |
ただし、変化の内容や変化が現れる時期は、通う頻度や運動経験、体質などによって異なります。
ネットの口コミなどで「4回通ったけれど効果が分からない」という声を見かけることもありますが、最初の数回は眠っていた筋肉を目覚めさせる準備期間です。
まずは入門・ビギナー向けのクラスを10〜20回ほど受講し、基本的な呼吸や骨盤の動かし方を覚えてから上のレベルへと移行するのがスムーズです。
初心者におすすめのピラティススタジオの選び方
グループレッスンとプライベート(パーソナル)の選び方
スタジオの受講形態には、主に複数人で行う「グループレッスン」と、マンツーマンで行う「プライベート(パーソナル)レッスン」があります。
それぞれの特徴を理解し、自分の予算や身体の状態に合わせて選ぶことが大切です。
- グループレッスン:
1クラス数名から15名程度で行われます。プライベートに比べて1回あたりの費用を大幅に抑えられるため、コストパフォーマンスを重視して長く続けたい方に適しています。 - プライベート(パーソナル)レッスン:
インストラクターがマンツーマンで指導を行います。既往症や関節の痛みがある方、身体が硬く、グループレッスンについていけるか不安な方にも向いています。
初心者が体験レッスンで確認すべき4つのポイント
料金やスケジュールは事前調査で分かりますが、「スタジオの現場でしか分からないこと」を確認するのが体験レッスンの目的です。
- インストラクターの教え方が丁寧か
初心者でもわかりやすくフォームを教えてくれるか、質問しやすい雰囲気かを確認しましょう。 - スタジオや通っている人の雰囲気
教室の清潔感はもちろん、周りの受講生の年代や空気が自分に合いそうかをチェックしましょう。 - 更衣室や設備の使いやすさ
レッスン前後の着替えスペースの広さや、パウダールームの混雑具合など、使いやすさを確かめましょう。 - 自分の体力に合った運動強度か
痛みや激しい疲労感が残らず、自分の運動レベルに合った心地よい達成感やすっきり感が得られるか実感してみましょう。
初めてのピラティスレッスン!服装と当日の準備
レッスンに適した服装と「NGな服装」
ピラティスをするときは、最初から専門的なヨガウェアを揃える必要はありません。自宅にある「動きやすい服」で十分に始められますが、いくつか選び方のコツがあります。
【適した服装】
- 伸縮性に優れたスポーツTシャツ、ジャージ、レギンスなど
- インストラクターが骨盤や背骨の動きを確認しやすいよう、身体のラインが分かるフィット感のあるもの
【避けた方がよい服装】
- フード付きのパーカーや、ジッパー・ボタンなどの装飾がついた服(仰向け時に痛むほか、マシンを傷つける原因にもなる)
- 胸元や裾が大きく広がる服(かがんだり足を上げたりした際に下着が見えてしまいレッスンに集中できなくなる)
当日の持ち物とレッスンの流れ
ピラティスは基本的にシューズ(運動靴)が不要なため、荷物が少なく済むのもメリットのひとつです。
- 動きやすいウェア(上下)
- 水分補給用のドリンク(水など)
- 汗拭き用のタオル
- 滑り止め付きの靴下(着用が必須のスタジオもあるため、事前に確認しましょう)
当日はレッスン開始の15〜20分前までにスタジオの受付へ到着し、更衣室で着替えを済ませます(受付時間のルールを設けているスタジオもあるため事前に確認しましょう)。
レンタルウェアの有無やシャワー設備の有無はスタジオによって異なるため、事前に公式ページを見ておくと安心です。
レッスン時間は約50〜60分が一般的で、終了後は簡単なスタジオ案内を受けて帰宅となります。
ピラティス初心者が感じやすい疑問と注意点
レッスン後(2日後など)のだるさや筋肉痛の理由と対処法
ピラティスのレッスンを受けた翌日や2日後に、筋肉痛や全身に強いだるさを感じることがあります。
これは、普段使われていないインナーマッスル(深層筋)や、腕・背中の筋肉を動かしたことによるものです。
慣れない筋肉を使ったことによる一般的な筋肉痛や疲労であれば、過度に心配する必要はありません。
軽い筋肉痛や疲労感であれば、通常は数日ほどで和らぎます。
対処法としては、レッスン後にしっかりと水分補給を行い、軽いストレッチや入浴で身体を温めて休息をとることが有効です。
もし強い関節の痛みがある場合や、痛みが長期間にわたって激しく続く場合は、無理をせず医療機関を受診してください。
ピラティスに向いていない人と上達を早めるコツ
ピラティスにはたくさんのメリットがありますが、目的や求めるスピードによっては「向いていない」と感じるケースもあります。
「1〜2週間で劇的に体重を落としたい」「とにかく激しい有酸素運動で大汗を流したい」という短期的なダイエット目的の人には向いていません。
ピラティスは身体の使い方や姿勢を見直しながら、継続的にボディラインの変化を目指す運動だからです。
逆に言えば、自分の身体の細かな動きに意識を向け、地道に続けられる人にはとても向いています。
上達を早めるコツは、回数をこなすことよりもインストラクターの指示をよく聞き、正しい姿勢(アライメント)や動きを意識することです。
既往症がある場合は事前に医師や指導者に相談し、安全な範囲で進めましょう。
【地域別】初心者歓迎のピラティススタジオを探す
初心者のスタジオ選びでは、料金やキャンペーン内容だけでなく、「通いやすさ」や「初心者向けクラスの有無」、「女性専用・パーソナル対応」といった希望条件に合うかどうかが大切です。
当サイトでは、首都圏を中心に約50地域のおすすめピラティススタジオを比較・紹介しています。
料金相場やレッスン形態などの条件を一覧で確認できますので、お住まいや職場の近くなど、無理なく通えるエリアから自分にぴったりのスタジオを探してみてください。
参考文献
- Benefits of Pilates in the Elderly Population: A Systematic Review(高齢者におけるピラティスの効果に関する系統的レビュー)
- Pilates improves physical performance and decreases risk of falls in older adults: systematic review and meta-analysis(高齢者の身体パフォーマンス向上と転倒リスク低減に関するメタ解析)
- The Effectiveness of Pilates Training Interventions on Older Adults’ Balance(高齢者のバランスに対するピラティストレーニングの効果検証)
- Pilates exercise and postural balance in older adults: systematic review and meta-analysis(高齢者の姿勢バランスとピラティスに関するメタ解析)
- 経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」(フィットネスクラブの業態概況資料)
- スポーツ庁・文部科学省「我が国のスポーツ指導者制度について」
- 公益財団法人 日本スポーツ協会「公認スポーツ指導者制度」
- 一般社団法人 日本糖尿病学会「身体活動・運動ガイドライン(アクティブガイド)」関連情報
- 公益財団法人 健康・体力づくり事業財団「健康運動指導士・健康運動実践指導者」

